オリンパスはジャイラス買収に絡み、日本の証券会社出身者が代表を務める米国のAXESとケイマン諸島のAXAMインベストメントに約660億円を支払った。両者が結んだ07年6月のM&A(企業の合併・買収)に向けた合意文書では、買収候補先として海外企業4社が記載されており、ジャイラスは08年2月に買収された。
買収の経緯について、英国人の元ジャイラス最高幹部は匿名を条件に「オリンパスから取締役会に買収提案の書簡が届き、魅力的な買収額だったので交渉を始めることになった」と説明。そのうえで、この最高幹部は投資助言会社について、「AXESやAXAMという名前は聞いたこともなく驚きだ。オリンパスのアドバイザーとは接触したことも、電話を受けたこともない」と証言した。
買収に伴いジャイラスの最高経営責任者(CEO)を退任したロイ・デービス氏も電子メールで、「AXESとAXAMという名前は先月の報道で初めて知った。投資会社の代表には会った記憶もない」と回答した。AXAMはオリンパスからの最終支払いが行われた3カ月後の10年6月に登録料未払いで会社登録を抹消されている。
巨額報酬を内部告発してオリンパス社長を解任されたマイケル・ウッドフォード氏は、買収の目的は資金を流用することだったと指摘。同氏は医療機器の専門家で、買収交渉が行われた当時はオリンパスの欧州法人社長だったが、東京からの相談は一切なく、「なぜ買収するのか」と疑問に思っていたという。
毎日新聞 2011年11月9日 15時00分(最終更新 11月9日 20時28分)
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