2011年12月16日金曜日

林原のはがれたメッキ、ウソの上塗り30年(3)

商取引を継続しながら、金融機関と解決策を探れるというのが、ADRのメリットだ。会社更生に詳しい大塚和成弁護士は「長年の粉飾決算が発覚した以上、信用が失墜するのは当然。今回の事例で、ADRの手法自体が本当にふさわしかったのかどうか疑問」という。

焦点のスポンサー探し

 今後は債務の圧縮と、スポンサー企業との交渉が焦点である。それぞれ研究開発と実務を一手に担ってきた社長の健氏、弟で専務の靖氏(64)は辞任。新社長に就任した福田恵温氏(58)は研究畑一筋に歩んできた人物で経営手腕は未知数だ。

 「昭和からの長きにわたって不適切な会計を繰り返してきた」(林原氏)。不正経理の実態解明のため、社外には調査委員会も設置する。真相究明はこれからだ。

(麻田真衣 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2011年2月11日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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