賞味期限切れ
だが、昨年各社が相次いで発売した立体映像が楽しめる3D(3次元)テレビは、早くも賞味期限切れだ。BCNによると、3Dテレビ(40型)の平均単価は昨年5月が26万7900円だったが、今年9月は13万3千円と、半値以下に暴落している。ネットワーク機能を強化し、独自のコンテンツを配信できる「スマートテレビ」のほか、ディスプレーの薄さやデザイン性を前面に出した新商品を売り出しているが、「需要喚起のインパクトは小さい」(業界関係者)のが実情だ。
八方塞がりのなか、今月8日まで千葉市で開かれたアジア最大級の家電見本市「CEATEC(シーテック)JAPAN」。各社は「高画質化」という原点に回帰した。
「やっぱりテレビは画質。だれが見てもきれいな映像を追及する」
12月中旬に発売する55型の4Kテレビを出展した東芝の担当者は胸を張った。市場想定価格は90万円だ。
4Kは横4千前後×縦2千画素前後と、現行のフルハイビジョン(1920×1080画素)の4倍の解像度を誇る。
同社の大角正明上席常務は「そこまで(高精細な映像が)必要かという声があるのは事実だが、夢を実現したい」と話す。
シャープもシーテックで試作品を公開し、来年度半ばの製品化を目指している。ソニーは12月下旬に世界初の家庭用4Kプロジェクターを発売。テレビも「検討していく」(平井一夫副社長)と意欲的だ。
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