2012年1月11日水曜日

エコカーはいつ買うのがお得?減税、補助金の賢い使い方

昨年末から前倒し適用が始まったエコカー補助金。一定の燃費基準を満たした新車の購入に対し、乗用車では10万円、軽自動車では7万円の補助金が国から支給される制度だ。これを機会に車の購入、買い換えを検討する読者も少なくないだろう。

 エコカー補助金の正式な制度実施には、第4次補正予算案の可決・成立が必要となるため、まだ告知が始まっていない販売店が多い。さらに今春に予定されるエコカー減税の見直しが相当複雑で、「我々でも正確な情報をつかむことが難しい」(首都圏のディーラー)との声も上がるほどだ。いったいエコカーはいつ買うのがお得なのだろうか。

 今回、補助金の対象となるのは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHV)などの環境車と、「平成27年度燃費基準達成または平成22年度燃費基準25%超達成」を満たす車種だ。補助金は13年2月末までが申請期間で、全体の予算枠(3000億円)を超えると申請できない。

 ガソリンエンジン車の場合、現在、自動車取得税や重量税が75%減税車となっていれば(平成22年度燃費基準25%超に該当する)、補助金の対象となると考えていいだろう。ただ、購入する際に気をつけなければならないのは、同じ車種でもグレードによって補助金の対象になったり、ならなかったりする可能性があることだ。たとえば、トヨタ自動車「カローラ」のセダンタイプでは、エンジン排気量1.5リッター仕様は補助金対象だが、現状では同1.8リッターは対象とならない。

 もう一つ、考慮しなければならないことは、エコカー減税(取得税と重量税)の見直しだ。もともとこの減税は12年春に終了する予定だったが、今回の税制改正大綱で3年間の延長が盛り込まれた。重量税については、税率そのものの軽減措置も行われる。ただ、減税の対象となる燃費基準が引き上げられたため、大半の車種で減税メリットが縮小すると見られている。

 中には、補助金の対象となっても、減税の縮小幅が10万円近くになり、補助金分を相殺してしまう車種も出てきそうだ。たとえばホンダの小型ミニバン「フリード」の「Gジャストセレクション」は、来年5月1日以降に登録した場合、税負担は現行と比べ約10.2万円増えると試算される(新車購入時の取得税・重量税と購入翌年の自動車税を含む負担額)。

 小型ワゴン「フィットシャトル」のアルミ非装着車では、同9万円以上の負担増になる。他のメーカーでも、大半のガソリン車で減税幅が縮小する見込みだ。ちなみにハイブリッド車(HV)は、新しい燃費基準に対応することで、引き続き免税措置を受けるモデルが多くなりそうだ。

 以上をまとめると次のようになる。現時点で予定されるエコカー補助金や減税の内容を見れば、今年3月末までに新車登録を済ませることが最もメリットがある。4月以降、補助金は継続するものの、ガソリン車を中心に大半の車種で、エコカー減税のメリットが縮小することを頭に入れておくべきだろう。

 ただしこれらの試算は、現時点で予定される税制・補正予算を前提としている。また、メーカーやディーラーのキャンペーンなどは含んでいない。さらにいえば、人気の車種は商談後すぐに登録できるわけではない。年末に発表されたトヨタの小型HV「アクア」も、すでに納車は約4カ月待ち。やはりエコカーは「思い立ったら吉日」なのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿